Cannabinoid Magazine

驚きのテルペンの効果 カンナビノイドを模倣するものはどれ?

2023年10月6日
「テルペンって匂いづけだけじゃないの?」
「意外と身近な成分、テルペン
 
 
「THCと同じ効果のテルペンなんてあるの?」
 
 
「今回の研究のハイライト」

目次

*この記事に含まれる情報は、医療従事者からの情報に代わるものではありません。

はじめに

大麻研究の世界は近年大きく発展し、植物に含まれるユニークな化合物や成分について多くのことが明らかになってきています。
 
 
一般的にはカンナビノイドにフォーカスされがちですが、テルペンやフラボノイドなどの成分にも重要な役割があることがわかっています。
 
 
中でもテルペン類は、疼痛管理に関する潜在的な治療効果があると考えられ、単独またはカンナビノイドと複合で摂取した際のアントラージュ効果などについても研究が進んでいます。
 
 
そこで今回は、痛みを和らげるテルペンの役割について調査された、2021年の科学的研究を取り上げ、テルペンが持つ効能について詳しく掘り下げていきたいと思います。

テルペンとは

"イソプレンを構成単位とする炭化水素で、植物や昆虫、菌類、細菌などによって作り出される生体物質である"

こう聞くとあまり身近に感じないかもしれませんが、
 
 
「小松菜に含まれるβカリオフィレンという成分は、わたしたちヒトが持つCB2という受容体に働きかけて健康に寄与するから、葉物野菜は体に良いと言われるんだよ」
 
 
と言われると、意外とテルペンはわたしたちの生活に密接していることがお分かりいただけると思います。
 
 
テルペンの存在は植物に独特の香りと風味を与えるものでもありますが、この様に香りづけだけでない潜在的な薬効もある成分としてスポットライトが当てられているのです。

参考:Wikipedia | テルペンとは (2023/10/6閲覧)

アントラージュ効果とは

アントラージュ効果とは、大麻植物に含まれるカンナビノイド、テルペン、フラボノイドなどが同時に働くと、個々の効果が増強されるだけでなく、効果を調整したり軽減したりする可能性もあるという理論です。が、この理論は賛否両論で、未だ実証されてはいません。
 
 
賛成派は、「フルスペクトラムが効果的な理由はアントラージュ効果だ」と主張しており、反対派は、「主に大麻産業におけるマーケティングのために使用されているだけだ」と考えられています。
 
 
今回ご紹介するアリゾナ大学の2021年の研究[1]はアントラージュ効果を支持する立場のもので、大麻植物に含まれる化合物とテルペンを組み合わせれると、全体的な治療効果を高める可能性があると示唆しています。

テルペンと疼痛緩和

一般的に鎮痛作用があると考えられている有名なテルペンは以下の通りです。

ミルセン

ハーバルな香りを持つミルセンは、睡眠を増強させ、運動弛緩効果を示し、抗不安作用、抗酸化作用、抗老化作用、抗炎症作用に加えて、鎮痛効果があると言われている成分です。

ピネン

松葉のような清涼感とウッディーな香りを持つピネンは胃の保護作用、抗不安作用、抗酸化作用、抗菌作用、抗がん特性があると言われ、鎮痛作用もあると考えられてい流成分です。

リナロール

ラベンダーなどに含まれる甘いフローラルな香りのリナロールは、抗炎症、抗がん、抗高脂血症、抗菌、抗不安、抗うつ、神経保護に加えて鎮痛作用があると言われている成分です。

リモネン

柑橘系フルーツに含まれるリモネンはシトラスの香りの元となっており、抗炎症、抗酸化、抗がん、抗糖尿病、抗菌、胃保護などの効果があり、こちらも鎮痛作用があると言われている成分です。

参考:

 
 

 Christiane Takayama 1, Felipe Meira de-Faria, Ana Cristina Alves de Almeida, Deborah de Arantes e Oliveira Valim-Araújo, Camilla Souza Rehen, Ricardo José Dunder, Eduardo Augusto Rabelo Socca, Luis Paulo Manzo, Ariane Leite Rozza, Marcos José Salvador, Claúdia Helena Pellizzon, Clélia Akiko Hiruma-Lima, Anderson Luiz-Ferreira, Alba Regina Monteiro Souza-Brito | Gastroprotective and ulcer healing effects of essential oil from Hyptis spicigera Lam. (Lamiaceae)f | (2011)

 
 
 
 

2021年のテルペンに関する論文で言われていることとは

この論文はカンナビサティバに含まれるテルペン類の効果と治療への応用の可能性を調査することでした。

 

驚くことに、以下の4つのテルペンはマウスにおいて、カンナビノイドの作用を模倣していることを示すことを発見したそうです。

 

α-フムレン

 

β-ピネン

 

リナロール

 

ゲラニオール

カンナビノイド四分子行動とは

テトラドは、運動能力低下、低体温、強硬症、および鎮痛を特徴とし、これら 4 つの表現型は、典型的なカンナビノイドであるデルタ-9-テトラヒドロカンナビノール (THC) に代表される CB1 アゴニストの急性投与によって誘発されます。

つまり、「一般的にTHCを摂取したらこうなるよね」という状態を4つの行動で測ることができる、ということです。

 

これらの行動はカンナビノイド活性の指標とされ、中枢神経系に対するカンナビノイドの影響を理解するために使用されています。

 

カンナビノイド四分子は通常、次の 4 つの動作で構成されます。

低運動量

低運動量とは、運動活動または移動運動の低下を指します。カンナビノイドに曝露された動物は、活動性が低下したり、動きが低下したりする可能性があります。

低体温症

カンナビノイドは体温の低下を引き起こし、体温の低下を特徴とする低体温症を引き起こす可能性があります。

カタレプシー

カタレプシーには、筋肉の硬直または不動の状態が含まれます。カンナビノイド誘発性カタレプシーでは、動物が長期間固定姿勢を保つことになります。

抗侵害受容

これは、カンナビノイドによって誘発される痛みまたは鎮痛に対する感受性の低下を指します。カンナビノイドで治療された動物は、痛みを伴う刺激に対する反応性が低下する可能性があります。

今回の研究のハイライト

これら4つの挙動は実験室環境で観察され、エンドカンナビノイド系および中枢神経系に対するカンナビノイドの薬理学的効果を評価するためのマーカーとして機能しているようです。

 

そして、今回の研究では先ほどご紹介した4種類のテルペンが、この4つの行動のうち抗侵害受容以外の3つの作用が現れたと言っているのです。

 

更に、WIN55,212-2という合成カンナビノイド(THC様の効果を発揮)と同時にこれらのテルペンを使用した場合、すべてのテルペンで抗侵害受容、つまり鎮痛特性を強化したことがわかったため、アントラージュ効果を支持する、という結論に至ったということです。

まとめ

カンナビス・サティバに含まれる天然のテルペンは、その特徴的なアロマに寄与するだけでなく、カンナビノイドとの相乗作用において、潜在的な治療効果を有することが今回の研究では示唆されました。
 
 
この論文は、大麻由来化合物の全体的な効果について考えることの重要性を強調し、その潜在的な健康上の利益を享受するためのさらなる研究を促しています。
 
 
これらの研究はまだ初期段階にありますが、天然の化合物の謎が解明されるにつれて、副作用を伴わない自然な疼痛緩和治療の有望な道が切り開かれてゆくでしょう。

ということで、

の説明を終わります。

 

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!

 

(人´∀`).☆.。.:*ありがとぉ☆彡(*´ω`*人)

 

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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ

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