CBD(カンナビジオール)は、麻や大麻由来の非精神活性物質です。
アメリカにおける2018年の改正農業法で産業用大麻(ヘンプ)が規制対象から外れたことに端を発し、CBDは爆発的に広まってきています。
CBDの認知度が世界で右肩上がりである背景には、CBD製剤が医薬品としてFDAに認可されたことや、ネットの発達で人々が容易に手に入れられるようになったこと、食べる・塗る・吸う・飲むなど、様々な方法で摂取できるバラエティの豊さなどが要因として挙げられます。
CBDが潜在的に改善できる症状は、不眠や不安、痛みや依存症の治療などで、深刻な副作用や過剰摂取のリスク無しでその効果が得られると言われ、様々な商品が市場に出回っています。
そして、これら商品の成分表示に着目した時に初めてディスティレートやアイソレートという単語を知ることになります。ではこの違いは何か、ということですが、ディスティレートとアイソレートの説明の前に、フルスペクトラムとブロードスペクトラムについて説明せざるを得ません。
フルスペクトラムとは麻に含まれる有効成分の全てが抽出されたものであり、THC(日本では違法)が含まれます。
含有されるTHC濃度は0.3%以下(ヨーロッパは0.2%以下)で、この程度ではいわゆる「キマる」、「ハイになる」という効果は現れないとされています。
ただし日本では、たとえ0.1%でも含まれていた場合は違法ですから、現在日本で正規に流通する商品でフルスペクトラムという表記はあり得ないのです。
ブロードスペクトラムとはフルスペクトラムからTHCを取り除いたもので、言い換えると、麻や大麻植物からTHCだけを取り除いて残りの成分を抽出したものと言えます。
フルスペクトラムと同様にテルペン、ビタミン、フラボノイドやCBD以外のカンナビノイドも含有されています。
CBDアイソレートは、麻からの抽出物に含まれるCBD濃度が限りなく100%に近いという、カンナビジオールのみ分離されたものです。
カンナビジオールを除いて他のカンナビノイドやテルペン、フラボノイドなどは全て濾過されます。
一般的にCBDアイソレートは有機物を全く含まない、無味無臭の白い粉で、純粋なCBDの結晶です。
英語でDistillateとは蒸留物という意味で、麻や大麻植物から何かが取り除かれて残った物質と表現するのがディスティレートの説明として最適かもしれません。
カンナビノイド抽出機械の製造メーカーによると、通常CBDディスティレートに含まれるCBD含有量は70〜80%で、その他の20〜30%はCBD以外のカンナビノイド、テルペン、ビタミン、フラボノイドで構成されているようです。
参考:Colin Darcel | Understanding CBD Isolate and Distillate | Maratek | https://www.maratek.com/ (2023/9/26閲覧)
CBD以外のテルペンやフラボノイドなどを含むため、その香りや味に影響を及ぼす可能性があります。
THC | CBD | その他カンナビノイド | テルペン等 | |
フルスペクトラム | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ブロードスペクトラム | × | ◯ | ◯ | ◯ |
ディスティレート | × | ◯ | ◯ | ◯ |
アイソレート | × | ◯ | × | × |
いかがでしょうか、ブロードスペクトラムとディスティレートは呼び名は異なりますが基本的には同じ成分であると考えて良いことがお分かりいただけたことと思います。
基本的にディスティレートとブロードスペクトラム、この二つは同じものだと考えて良いと思いますが、英語の意味として考えると、
Full Spectrum(全領域)
Broad Spectrum(広範囲な領域)
Distillate(蒸留物)
Isolate(単離)
ですから、フルスペクトラムもブロードスペクトラムも言ってしまえばアイソレートも蒸留物であると言えます。
アメリカの有名な大麻情報サイトHerbによると、ディスティレートの抽出工程では植物材料が個々の化合物に分解され、必要な化合物が最終製品に再導入、必要のない化合物が除去されるのだと説明されています。
製作者の意図で最終形態にどの成分を残してどの成分を除去するかが決められるということは、厳密に言うと、「ディスティレートという過程を経て抽出されたフルスペクトラム、ブロードスペクトラム、アイソレート」ということになります。
更に言うと、2023年9月時点ではTHCだけでなくTHCVも規制薬物となっているため、これから輸入されるブロードスペクトラム、またはディスティレートからはTHCVも取り除かれているという事でしょう。
そして、日本ではTHC含有のフルスペクトラムは流通するはずがありませんから、誤解を避けるには、選択されたディスティレートと、単離されたアイソレートとよび、スペクトラムという表現を外した方が良いかもしれません。
もしくは、ブロードスペクトラムディスティレートとアイソレートと分けるなど。
いずれにしても定義は無く、メーカーによってマーケティング的に呼び方は変えることができますからしばらくは混乱するかもしれませんが、この記事をご覧いただいた方はこの違いを理解するヒントとできたのではないでしょうか?
参考:Vinnie Sarrocco | Full-Spectrum vs. Distillate Cannabis Extracts: What’s The Difference? | Herb https://herb.co/learn/full-spectrum-vs-distillate (2023/9/26閲覧)
幾つかの商品を試してみたけど味やフレーバーがあまり好きではなかった、もしくはオイルやリキッドを購入してみたもののあまり効果が無かったという方はCBDアイソレートがオススメで、好みの香りを調合してオイルやVAPEリキッドを作ることができます。
また、購入した商品を試してみたけれど、濃度が低くて何も感じなかったという方は、その商品にCBDアイソレートを加えて濃度を上げることもできます。
その為、CBDアイソレートはDIYしたい人や濃度を上げたいなど、独自でカスタマイズしたい人にオススメです。
海外の原料メーカーのウェブサイトなどを眺めていると、「CBDディスティレートは市場に流通する元も強力なCBDの形態である」としばしば説明されますが、これはメーカーや製品、個人的な好みなどによっても異なるかもしれません。
CBD単体摂取よりも、その他のカンナビノイドやテルペンなどを同時摂取することで単体以上の効果が発揮されるかもしれない、というアントラージュ効果を得られる可能性があることから、麻に含まれる多くの成分を享受したいという方はCBDディスティレートがオススメです。
ということで、
の説明を終わります。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ