2022年1月12日のニューヨークタイムズの記事で、とても面白い現象を知る事ができました。
記事のタイトルは「That Cloud of Smoking Is Not a Mirage」
日本語に訳すと、「あの煙の雲は蜃気楼ではない」
なんと幻想的でノスタルジックな響きでしょう。内容をざっくりと要約すると、「知識のある若者の間で喫煙が密かなブームになってきている」と言っています。
パンデミックで個別行動を余儀なくされた人々の日常が以前の様態に戻りつつあり、「空間や時間、経験の共有」が再注目されるようになった結果なのかはわかりません。が、知らない部署の人や、毎回喫煙所で顔を合わせる知らない人と、喫煙しながら無言で語らう、言葉に出来ない仲間感を経験した方もいるのではないでしょうか。
参考: John Ortved | That Cloud of Smoke Is Not a Mirage | New York Times (2023/8/31閲覧)
この記事内では喫煙を「ブルージーンズと同様にクールな感覚を帯びており、常に何らかの形で反逆の衝動を象徴するものの1つ」と表現していました。
意図的かどうかはわかりませんが、この記内の登場人物の多くは「デザイナー」「女優」「ブランドディレクター」「学生」など、一見”クール”で”ヤング”な人々のトレンドかのようにタバコが語られているのです。
そして彼らは、タバコ=健康に悪いという事を知りながら喫煙を続けているようです。
このことから、主流社会の文化に反抗する現代のカウンターカルチャーの象徴として「喫煙」がなされているようにわたしの目には映りました。
面白かったのは、以前のカウンターカルチャーの象徴としての大麻は、今やウェルネスの代表で、「オタクのおじさんがよく寝たいために使用するもの」に成り下がってしまったと言われていました。
カウンターカルチャーは1960年代〜1970年代頃のお話ですが、1980年代には日本でもテレビコマーシャルでタバコのCMが多く流れていたようです。全体的に眺めてみましたが、「カラッと旨い」「軽さが際立つ」など、かなり漠然と、かつ印象に残りやすい表現が多用されており、喫煙=カッコいいという印象を受けました。
とはいえ、依然、WHOでもタバコの健康被害に対して警鐘を鳴らしているくらいですから、辞めた方がいいに越したことはありません。
そこで本日は、CBDでニコチン依存を止めることができるのか、という調査をするべく、2023年8月1日から喫煙を開始したレポートをお知らせしたいと思います。
まず、Marlbolo lightのショートを一箱購入しました。タール8mg、ニコチン0.6mgが含まれています。
わたしの作業場の周辺は、小学校や幼稚園などがあるため、喫煙場所は車で7分程度の工業地帯にある、吸殻入れが外に置いてあるコンビニを選びました。
つまり、1本のタバコを吸うのに往復20分弱を要することになりますから、ここまで無駄な時間を割いてでも吸いたいという状態は依存していると言えるでしょう。
【1本目】
2年ぶりにタバコを吸いました。
全身の血管が収縮し、瞳孔が開くような感覚で、手先は震え、めまいがひどく、吸い終わってから自分がまっすぐ歩けているかどうかが不安になる程不自然な足取りで車に戻りました。
歩く姿を周りの他人に見られているようで、右手と右足が同時に出ていないかなど、本気で心配になる程挙動不審だったように思います。
この状態で運転することが心配に思われるほど強烈な感覚で、少し車で休んでから帰路につきました。
【2本目】
同じ喫煙所に足を運び、1本吸い終わりました。1日目と同様の強烈な”ヤニクラ”にやられ、車で5分ほど休んで帰りました。
【3本目】
あれほど酷い体験をしたにも関わらず、驚いたことに、昼前になると鼻腔にタバコの煙の香りが蘇り、「吸いたい」という気持ちが芽生えました。3日目にして既に依存性が現れているのでしょうか。
【11本目】
徐々に喫煙後の眩暈は薄れてきている感じはしますが、依然喫煙後の違和感は感じるため、少し休んでから帰路に着くという日々を1週間強過ごしました。
作業場から車に乗って喫煙をして帰る、この一連の流れは30分程度を費やします。
訪れるコンビニにも、ただただ吸い殻を捨てに行くのは忍びないため、毎回何か買い物をするとより時間がかかってしまうのです。
非常に無駄な時間で、依頼されている仕事の合間に出て来るわけですから心に焦りも感じるほどですが、この「1本のタバコを1日1回吸う」という行為は毎日の生活の中で、少し楽しみとも思えるような感覚になっていました。
【18本目】
東京から離れた場所で打ち合わせをする機会があり、前後の日程でその地域を散策してみようとホテルを取りました。
環境が変わり、海が近かったこともあり、つい調子に乗って1日1本以上を吸ってしまい、残すところあと2本になりました。
もうこの頃には眩暈のような感覚も全くなくっていましたが、依然手に付くタバコの臭いは不快だったため、毎回喫煙後の手洗いは欠かしませんでした。
【20本目】
半月かけて1箱吸い終わりました。が、なんと、もう1箱買ってしまったのです。
「渇望」というよりは「ま、これくらいいいじゃん」程度のライトな感覚だったのですが、これが依存か・・・と身をもって体験しました。
【36本目】
2箱目ももうすぐ無くなるところでしたが、もういい加減辞めないといけないと思い、残ったタバコもライターも捨てました。
なお、この1ヶ月間で(水分とジム通いのせいだとは思いますが)体重が3キロ減りました。
約1ヶ月間タバコを吸い続けてきましたが、辞めた次の日は、鼻腔にあの独特な煙の香りがふわっと香ることが日に3~4回ありました。
それは、集中して何かを行う作業の合間や、トイレに立った時など、本当にふとした瞬間なのですが、その都度もう1箱買いに行こうかと考えてしまう、この「ま、あと1箱くらいいいか」という軽い考えと、すぐに手に入る手軽さが禁煙最大の敵である事を痛感しました。
しかし目的は喫煙者に戻ることではなく、この感覚をCBDで抑えられるかどうかの検証ですから、グッと我慢しました。
個人的な感覚としては、離脱症状で有名な不安感が募るなどは無く、存在を忘れるとそこまで吸いたいという願望は感じません。このことから、習慣化=体が欲するでは無いと再認識することができました。恐らくわたしの場合は喫煙期間も短く、1日の摂取量も少なかったためこの程度の離脱症状で済んだのかもしれません。
「ニコチンは、刺激と快感を引き起こし、ストレスや不安を軽減する」と、2010年の研究ではっきりと言われています。そのため人々は寝起きに”覚醒のために”1本、イライラした時に”落ち着くために”1本と、気分をコントロールするためにタバコを吸ってしまうようです。
また、「喫煙は、集中力、反応時間、および特定のタスクのパフォーマンスを向上させる可能性がある」と言われており、これら全ての効果が得られなくなるので禁断症状が現れると言われています。
ニコチンの禁断症状は以下の通りです。
・イライラ
・憂鬱な気持ち
・落ち着きのなさ
・不安
・友人や家族との関係の問題
・集中力の低下
・空腹感と食欲の増加
・不眠症
・タバコへの渇望
そして、「未治療の喫煙者のニコチン離脱は、精神科の外来患者に見られるものと同等程度の気分障害を引き起こす」とも言われています。
と、ここまでニコチン依存の恐ろしさをわたし自身でも体験し、どのような理屈で依存してゆくのかなどについてお話をしてきましたが、ここからはこの「ニコチンへの渇望をどうして抑えるか」にフォーカスをしてあと少しだけお話を進めて終わりにしたいと思います。
CBDには抗不安作用、鎮痛作用、依存の軽減に寄与できる可能性があると示唆されています。そのため、ニコチン離脱の禁断症状であるイライラや憂鬱な気持ち、不安感、不眠、タバコへの渇望などを抑えられるかもしれません。
CBGには潜在的に筋弛緩特性、鎮痛効果のサポート、抗うつ特性があると言われています。また、セロトニン受容体をブロックするため気分を上げる役割があるとも言われています。
そのため、禁断症状の憂鬱な気持ちをかき消してくれる可能性があります。
リナロールは抗不安作用があり、CBDやCBGと合わせるとその効果が高められるかもしれないと言われています。
βカリオフィレンはCB2に結合することで有名なテルペノイドで、2010年の研究では依存症治療に効果がある可能性が示唆されています。
参考:
以上を踏まえて、ニコチン依存を断ち切るブレンドを考察してみたいと思います。
不安を解消し、ストレスを軽減、不眠にも効果があり、ニコチンそのものへの渇望を軽減出来、食欲も抑えられれば良い訳です。
すると、配合はCBDとCBGがメインのカンナビノイドリキッドが良いでしょう。ただしこの二つは結晶化する可能性が高いのでCBTとテルペンで結晶化を抑える必要がありそうです。CBTはレビューベースで「ある種の多幸感を味わった」と言う声もあることから、相乗効果が期待できるかもしれません。
通常、日中に喫煙することを考えるとCBNを入れるメリットはありません。
使用するテルペンは、リナロールとβカリオフィレンが優勢で、可能な限り”クサ感”があるもののほうが、フルーティーなブレンドよりもタバコに近くなるので、より喫煙感を味わえるでしょう。
ニコチンの禁断症状は「精神科の外来患者に見られるものと同等程度の気分障害を引き起こす」と言われるほど強力です。
わたし自身も、タバコの煙の匂いは嫌いなのですが、無くなると寂しいような、1日のアクティビティから何か大きなものが抜け落ちてしまったような感覚を味わいました。
そして、つい「まいっか」という軽い気持ちでもう1箱購入してしまったことから、はっきりと依存性があるという事がわかりました。
次回はいよいよ実際に作成したリキッドの配合とその効果をレポートしますの。タイトルは⇩
「禁煙にフォーカスしたリキッドCitrus Serenity Haze」
また、ご覧いただけたら幸いです。
ということで、
の説明を終わります。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ