Cannabinoid Magazine

どのカンナビノイドがにきび、乾癬、アトピー性皮膚炎に効く?

2023年9月12日
「皮膚にいいカンナビは、あるんか?
「皮膚科学におけるカンナビノイドの役割
 
 
「皮膚治療に使用できそうなカンナビノイドは?」
 
 
「症状別に効果がありそうなカンナビノイドを紹介」

目次

*この記事に含まれる情報は、医療従事者からの情報に代わるものではありません。

はじめに

麻や大麻植物内には多くの治療の可能性を秘めた化合物が存在しており、それぞれが非常にユニークなプロファイルを持っています。
 
 
様々な文献で、カンナビノイドを既存薬の代替として利用する利点は「副作用が少ない可能性があるからだ」と説明されていますが、絶対的な研究数が少ない事から、未だわかっていないことが多いというのも事実です。
 
 
そこで本日は、最も有名なTHCとCBD以外の、大きな可能性を秘めた「マイナーカンナビノイド」の世界を覗いてみましょう。

マイナーカンナビノイドをサラッと紹介

全く知らない方からすると「カンナビノイド」という言葉はカンナビス、つまり日本では違法の大麻を連想させるため、 少し異質に聞こえるかもしれませんが、ヘルスケアに関する議論では近年、より一般的になってきています。
 
 
例えるなら、THCとCBDが主役で他のカンナビノイドが脇役である壮大なオーケストラのようなものです。これら「脇役」であるマイナーカンナビノイドがそれぞれ独自の音色を提供して、全体の交響曲に影響を与えていると思っていただくとわかりやすいかもしれません。
 
 
これらマイナーカンナビノイドは、様々な薬理学的分野で有望視されており、特に皮膚科学において注目を集めているようです。
 
 
そこで、2023年8月、ポーランドにあるルブリン医科大学から「どのマイナーカンナビノイドが皮膚疾患に治療的可能性があるのかを探ってみた」という最新レビューが発表されましたので、その内容を詳しく見ていきましょう。

皮膚科学におけるカンナビノイドの役割

わたしたちヒトの体には、エンドカンナビノイドシステムというカンナビノイドとの相互作用に特化した機能が存在します。
 
 
このシステムが担っているのは、わたしたちの体を最高の状態に維持する事と、気分、食欲、痛みなどに影響を与える事です。
 
 
そして、ある種のマイナーカンナビノイドは、これらのシステムに働きかけを行うことで、無数の皮膚科学的症状を治療する可能性があると言われています。そして、これらの治療対象は、にきびや湿疹、乾癬のような疾患から、メラノーマのような複雑な疾患まで多岐にわたるようです。

皮膚科学的効果を持つマイナーカンナビノイドの種類

まずはいくつかの有名なマイナーカンナビノイドをテーブルにあげてみましょう。

CBG(カンナビゲロール)

すべてのカンナビノイドの母と表現されるCBGは、抗炎症特性と抗菌特性が有名です。
 
 
抗炎症作用:
CBGは、特に湿疹や酒さなどの炎症を特徴とする皮膚疾患において、その強力な抗炎症作用が注目されています。
 
 
抗菌作用:
抗生物質耐性のブドウ球菌と闘う可能性があることから、CBGは感染した創傷や皮膚病変の局所治療に有望な選択肢となる可能性があります。

CBC(カンナビクロメン)

注目すべき特性を持つもう一つのカンナビノイドCBCはあまり知られていないませんが、潜在的に抗炎症作用があると考えられている事から、ニキビや、しつこい肌トラブルと戦っている人々にとっての救世主となるかもしれません。
 
 
皮膚の成長促進:
CBCは健康な皮膚細胞の成長を促進することで知られており、傷の早期治癒に役立つ可能性があります。
 
 
痛みの緩和:
根本的な痛みの受容体をターゲットにすることで、炎症を起こした皮膚に鎮静効果をもたらす可能性があります。

CBN(カンナビノール)

CBNはスリーピーカンナビノイドと呼ばれ、睡眠に効果があるとレビューベースでは言われています。そのため、皮膚に良いという話は聞いたことがないかもしれません。
 
 
皮膚細胞の成長促進:
予備研究では、CBNが皮膚の幹細胞の成長を促進する役割を果たす可能性が示唆されているようです。
 
 
抗炎症作用と鎮痛作用:
抗炎症作用の可能性や、皮膚疾患に関連する痛みを緩和する能力についても研究されています。

CBDV(カンナビジビバリン)

抗炎症作用:
アトピー性皮膚炎の治療で、かゆみや腫れなどの皮膚症状を緩和するために使用できる可能性がある。
 
 
抗酸化作用:
ニキビの病変を治癒する効果がある可能性があります。

CBDP(カンナビジフォロール)

抗炎症作用:
CBDPはCBDやCBGに匹敵する抗炎症作用鎮痛作用を示すと言われています。
 
 
鎮静作用:
同じくCBDやCBGに匹敵する鎮静作用を示すと言われており、ニキビや乾癬の治療に良い影響を与える可能性があります。

その他

CBE(カンナビエルソイン)や、CBM(カンナビモーヴォーン)という新たなカンナビノイドも近年発見され、抗炎症の可能性を示していると言います。

皮膚治療への応用

このレビュー内ではいくつかの方法で皮膚疾患にアプローチすれば良いのでは?と言われていました。それが以下です。

外用剤

いくつかのマイナーカンナビノイドは水溶性であるため、外用クリーム、軟膏、美容液やローションへの配合に理想的かもしれません。
 
 
直接塗布することで、活性化合物が皮膚深部まで浸透し、治療効果を発揮することが期待されます。

経口摂取

これらのカンナビノイドを含むカプセルやオイルのような経口サプリメントは、皮膚に影響を及ぼす広範な皮膚疾患や内部炎症に肌の内側から作用し、全体的なアプローチを提供する可能性があります。

併用療法

複数のカンナビノイドを併用することで、個々の化合物の治療効果を増強させる相乗効果が得られると考えられています。この相乗効果は、皮膚科学における包括的な治療戦略への道を開くかもしれません。

安全性と用量

ここまででご紹介したマイナーカンナビノイドが計り知れない可能性を示す一方で、その安全性の確認は非常に重要です。
 
 
ほとんどの知見では、これらのカンナビノイドは、特に局所的に適用された場合、副作用がほとんどないことが示されていますが、他の医薬品同様、適切な投与量を決定することはとても重要です。
 
 
これらは現在進行中で研究がなされているようで、潜在的な副作用を最小限に抑えながら効果を最大化するための標準的な投与量を確立することを目指しているようです。

皮膚系疾患に潜在的な効果があるカンナビノイドの一覧表

このレビューでは、この疾患にはこれらのカンナビノイドが効果あるカモ!と、丁寧に表にされていましたので最後にご紹介して終わりたいと思います。
ニキビ 乾癬 皮膚疾患 カンナビノイド

まとめ

皮膚疾患におけるマイナーカンナビノイドの治療可能性の探究は、新たな治療法の確立に有望な道筋を照らしたと言えるでしょう。しかし、ヒトにおけるカンナビノイドの有効性と安全性に関する説得力のある臨床的証拠は不足していると言います。
 
 
研究が進み、各カンナビノイドが持つ効果や効能がより明らかになれば、皮膚疾患に対する画期的な治療法が確立され、今後数年間で皮膚科治療を再定義することになるかもしれません。
 
 
このように日々世界中で発表される、新しい研究や情報に触れると、これから新たにリリースされる商品などもある程度予測出来るようになります。すると、どのような形態の事業者が淘汰されてゆくかもぼんやりと見えるようになってきます。
 
 
過渡期にある”日本の”カンナビノイド市場で生き残るために最も重要な事は、主力商品「花形」で得た利益を全く新しい形態の商品「問題児」に投資することが重要であると感じる今日この頃です。(ちなみにわたしは事業者ではありません)

ということで、

の説明を終わります。

 

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!

 

(人´∀`).☆.。.:*ありがとぉ☆彡(*´ω`*人)

 

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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ

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