Cannabinoid Magazine

【医療大麻処方可能】その後の課題をサラッと解説

2023年11月9日
「大麻合法化?全く問題無いっしょ!」
「世界で合法化されてるんだから日本も合法化しても問題無いでしょ?」
 
 
「合法化によってアングラマーケットに金が流れることないから健全だと思う」
 
 
「法律変えればいいだけじゃないの?」

目次

*この記事に含まれる情報は、医療従事者からの情報に代わるものではありません。
*この記事は情報提供のみを目的としており、違法薬物の摂取を促進するものではありません。

Glasgowグラスゴーはどんな街?

1990年代のドラッグカルチャーを代表する映画Trainspotting。
 
 
映画の舞台はスコットランドの首都エディンバラですが、ロケの大部分はエディンバラから西、スコットランドの南西部にある都市、グラスゴーで撮影されました。グラスゴーはかつて造船業で栄えた都市で歴史的建造物が立ち並ぶ美しい街です。
 
 
グラスゴーの中心地から南へ下った所にあるRouken Glen park(ルーケングレンパーク)は、主人公のMark Renton(Ewan McGregor)とSick Boy (Jonny Lee Miller)がモデルガンで犬のお尻を撃ってしまうシーンが撮影された場所であり、中心地から離れると、このような豊かな自然が広がっています。

末端価格2億3500万円相当の大麻が押収された?

2023年5月、スコットランド全土で実施された大規模な警察の捜査により、末端価格2億3500万円の大麻が押収され、11人が起訴された[1]というニュースが流れました。
 
 
グラスゴーでは市内の施設から6500万円相当の大麻と200万円程度の現金が押収され、グラスゴーの西に位置するペイズリーでは約3300万円相当の大麻と140万円相当のコカイン、その他スコットランド国内の建物から1億8千万円相当の大麻と大麻製品が押収されたそうです。
 
 
このことから、英国では大麻が違法であることがわかります。

日本と英国の大麻に関する法律を比べてみた結果とは?

英国の大麻に関する法律は?

イギリスで大麻は違法です。
 
 
大麻所持に対する最高刑は懲役5年、最高約45万円の罰金、供給や製造で起訴された場合最高14年の懲役刑になることもあります。
参考:nidirect | Drugs and crime (2023/8/7閲覧)

日本の大麻に関する法律は?

日本でも同じく大麻は違法で、その罰則については「大麻取締法第六章 罰則」に記載されています。
 
 
大麻を輸入、輸出した場合は7年以下の懲役、営利目的の販売は10年以下の懲役、300万円以下の罰金、所持や譲り受け、譲り渡した場合は5年以下の懲役、販売は7年以下、200万円以下の罰金、となっています。

日本と英国の大麻に関する法律の違いは?

日本で大麻は麻薬、イギリスで大麻はクラスBの医薬品という点が異なります。
 
 
2018年11月以降、イギリスでは専門医が合法的に大麻ベースの医薬品の処方箋を発行できるように[1]なっています。
 
 
そのため、医療用途として必要な人であれば、専門医の処方のもと医療大麻を手に入れることができるのです。

医療大麻合法化後の英国の状況は?

2018年11月の医療大麻合法化以降の状況を、先ほど参考にした記事ではこのように言われています。

Changes to the law in November 2018 made medical cannabis prescriptions possible, but uptake on the NHS has been painfully slow, with just 3 whole plant prescriptions in 3 years. A growing, private medical cannabis industry has emerged in the UK, but costs and conditions remain prohibitive for many, and the legal supply chain has experienced problems such as contamination. As a result, it is estimated that at least 1.4 million people turn to the black market to procure cannabis to treat medical conditions.

簡単にご説明すると、「医療大麻が合法化したものの、イギリスの国民保健サービスNHSによる普及はありえないほど遅れており、3年(恐らく2019~2021年頃)でたったの3株しか処方されていない。」
 
 
「民間の医療大麻処方クリニックでは、依然多くの人にとってその費用や条件が法外で、その結果として少なくても140万人が治療のために闇市場で大麻を購入している」と言います。
 
 
ここで重要な点は、民間の医療大麻処方クリニックの存在です。
参考:[1] CLYDE&CO | Cannabis legal update (2023/8/7閲覧)

民間企業の台頭

イギリスでは、医療大麻が合法化されているものの、その100%は輸入品です。
 
 
この大麻を輸入するためには、イギリスに拠点を置く医師から輸入承認の書類が必要で、1通につき1回の輸入が許されており、価格は約18万円と非常に高額です。
 
 
イギリスBBCのニュース[1]によると、「法改正から4年で医療大麻の処方の大半は、非常に高額な民間医療システムを通じて行われている」と言います。また、2018年11月の合法化から2022年7月までの間におよそ9万件の無認可医薬品の処方箋が発行され、そのうち国の保健サービスが発行したものは5件以下だったそうです。
 
 
つまり、医療大麻市場は急速に広まっているが、その大半は無認可の民間クリニックで処方されており、非常に高額なため必要な人全ての手に渡っているわけではない、ということです。

まとめ

国が医療大麻の処方を可能にしても、システムやインフラが伴わなければ、正規ルートでの流通が困である。
 
 
所得や条件によっては闇市場にアクセスせざるを得ない人が出てくる可能性がある
 
 
といったところです。

ということで、

の説明を終わります。

 

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!(人´∀`).☆.。.:*ありがとぉ☆彡(*´ω`*人)

 

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