CBDの爆発的な流行は世界中で見られる現象ですが、ある程度広まり大手企業が参入しだすと、個人や中小といった小規模展開の企業や小売店はどうなってしまうのでしょうか。
大手企業の強力なマーケティングによって顧客を奪われ駆逐されていくのでしょうか、それとも、大手企業の広告戦略で一般ユーザーへの認知度が上がって顧客層が広がり、更に発展していくのでしょうか。
いずれにしても経口、経皮、蒸気摂取という用途が限られている以上「CBD」という成分一本に頼り続けることに限界が来ることは火を見るより明らかです。そこで、
“起業家たちは次の経済市場を探しているが、CBGオイルがその市場になる可能性があるようだ。”
という文言で2021年の研究論文は始まります。
CBG Canabigerol(カンナビゲロール)とは、麻や大麻植物に天然に含まれる成分ですが、その含有量は非常に少なく1%未満であると言われています。
CBGは潜在的な薬理学的特性が見込まれているためか、Google Scholarに「Cannabigerol」と入れると6780件の研究結果が出てきます。ただし、CBDの研究数はその12倍、THCに至っては15倍以上であることから、まだまだ未知の領域が多いカンナビノイドと言えるでしょう。
そこで本日は2021年のレビュー[1]を元に、CBGが潜在的に持つ効果・効能・利点や副作用について探っていきたいと思います。
CB1は脳や神経エリアに多く発現するため、この受容体に親和性の高い物質が体内に入ってくると、いわゆる「ハイ」な状態になります。
一方でCB2は免疫系や骨細胞などに多く発現するので、受容体に結合する物質があっても「ハイ」にはなりません。むしろ、薬理的な利点があるため、この受容体に結合する物質は積極的に研究されているようです。
CBGの効力を測るためには、
・精神活性作用のあるカンナビノイドで最も有名なTHC
・精神活性を伴わないカンナビノイドで最も有名なCBD
この二つを比べるとわかりやすいかもしれません。
以下は各カンナビノイドの親和性を表したもので、レビュー内で使用されている表を簡略化したものです。nMやKiという数字は「単位を表している」とだけ覚えていればここでは大丈夫です。
nM | Δ9-THC | CBG | CBD |
CB1 | 5.1-80.3(Ki) 部分アゴニスト | 440-1045(Ki) 弱いアゴニスト | 1458.5-4900(Ki) インバースアゴニスト |
CB2 | 3.1-75.3(Ki) アゴニスト | 153.4-1225(Ki) 部分アゴニスト | 372.4-4200(Ki) インバースアゴニスト |
つまり、CBGはカンナビノイド受容体において、THCとCBDの間程度の親和性があるということです。
しかし、同レポート内で、”CBGのCB1、CB2における親和性は無視できる程度”だともいわれているため、この文献に限らずその他多くの文献の中でCBGは「非精神活性成分である」と言われています。
a2アドレナリン受容体は、アドレナリンや神経伝達物質の受容体として機能します。
このアドレナリン受容体を活性化させる薬として、血圧を下げたり、血管を広げたりする役割を持つものがあり、CBGもこの受容体を活性化する効果があるようです。
5HT1A受容体は、セロトニンに対する受容体の一種です。セロトニンは”幸せホルモン“と呼ばれ、気分、情動、睡眠、食欲、ストレス応答などの調節に関与しています。
セロトニン受容体をブロックすると、神経細胞間のセロトニンが増えるので、気分を上げる役割をします。そして、CBGはこのセロトニン受容体を強力にブロックすることがわかっているようです。
PPARsと略されますが、主に脂肪酸や糖の代謝、炎症応答などの生理的プロセスの制御に関与しています。
CBGは、THCやCBDと比べるとこのPPARs(γ)受容体に強い親和性があると言われています。
一般的に糖尿病の予防として生活改善を余儀なくされた場合「インスリン感受性と脂肪生成を改善しなさい」と言われるかもしれません。その具体的方法は運動や減量などが効果的だと言われています。
CBGがPPARs受容体に作用して、インスリン感受性と脂肪生成を改善する可能性があることが示唆されていることから、生活習慣病や糖尿病の予防に潜在的な効果がある可能性があります。
神経変性疾患では認知症やアルツハイマー病、パーキンソン病などが挙げられますが、この神経変性疾患の治療にa2アドレナリン受容体を活性化させる物質を追加すると認知機能低下が軽減されると言います。
このことから、a2アドレナリン受容体を活性化させるCBGに同様の効果が期待できるかもしれません。
実行機能とは計画の立案、問題解決、意思決定、集中力の維持など、日常的な活動を遂行するために必要な機能で、損なわれると日常生活が困難になります。
a2アドレナリン受容体を活性化させる薬がこれらの機能を改善することが示されているため、CBGにも同様の効果が期待できるかもしれません。
その他、過去の研究では以下の症状に対して何らかの利点がある可能性が示唆されています。
・神経保護
・胃腸系疾患
・抗菌剤として
CBGが持つ潜在的な副作用はこれまでご説明した各機能を予期せず強めたり相互作用する可能性があることだと言われています。
例えば、CBGが持つa2アドレナリン受容体を活性化させる効果が、降圧剤や血管を広げる薬と併用すると予期せずその効果を強めてしまう可能性があるかもしれません。
また、セロトニン受容体を活性化させる効果が、抗うつ剤などと併用するとその作用がどのように強まるかはわかりません。
2021年のミニレビューをざっくりとまとめてお伝えしました。
“CBG が多くの疾患に代替治療法を提供する可能性があることを示唆するものはたくさんありますが、学ぶべきことは多く残されています。”
レビューの最後はこのように締めくくられています。
ということで、
の説明を終わります。
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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ
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