Cannabinoid Magazine

CBC カンナビクロメンとは痛みや腫れに有望なカンナビノイド？

2022年10月28日

2023年7月10日

「CBC カンナビクロメンってどのくらいイケメン？」

「CBC」と検索しても出てこないほどマイナーなカンナビノイドで日本には情報が少ないですよね。

それでも、

「CBCってどんなカンナビノイドなの？」

「CBCってキマるの？」

「CBCって吸ったらどうなるの？」

と疑問に思っている方も中にはいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、海外のサイトと研究を参考にCBC カンナビクロメンとはどのようなカンナビノイドなのかについて詳しく説明しています。

具体的には、

・結論：CBCってこんなカンナビノイド！

・CBCが作用する仕組みを知ってキマるかどうか、その他効果を確認。

・CBCアイソレート吸ってみたレビュー

の順番にご紹介していきます。

全文読んでも2分程度で読めますし、CBC カンナビクロメンという謎のカンナビノイドについてよく理解できると思いますので是非ご一読ください！

＊この記事に含まれる情報は、医療従事者からの情報に代わるものではありません。

結論：CBC（カンナビクロメン）とは痛みや腫れに有望かもしれないカンナビノイド

CBC（Cannabichromene/カンナビクロメン）は実は大麻の中にかなり多く含まれるカンナビノイドです。

2008年のジャーナルでは「大麻中3番目に多い」[1]、2019年のリサーチでは「カンナビス属に最も多く含まれる植物性カンナビノイド」[2]と言われ、非向精神性で、抗炎症作用とTHCよりは弱い鎮痛性を持つ[1]と考えられています。

うつ病からニキビまでその他多くの目的でCBC（カンナビクロメン）の使用が検討されているようですが、使用を支持する科学的証拠はまだありません[3]。

参考

[1] Ethan B Russo |. Cannabinoids in the management of difficult to treat pain(2008)

[2] Michael Udoh,Marina Santiago,Steven Devenish,Iain S. McGregor,Mark Connor | British Journal of Pharmacology |Cannabichromene is a cannabinoid CB2 receptor agonist(2019)

[3] WebMD | Cannabichromene (2022/10/27閲覧)

CBC（カンナビクロメン）はTRPA1を強力に刺激する働きをする

CBC（カンナビクロメン）が特徴的なのは、TRPA1という受容体を強力に刺激する[1]ということです。

TRPA1は、わさびのツーンとする感覚をキャッチするところであるため「わさび受容体」と呼ばれて[2]います。

そしてこのTRPA1は痛みや炎症を調整するターゲットでもある[3]ため、この受容体TRPA1を刺激するCBC(カンナビクロメン)には抗炎症作用や鎮痛効果があると考えられているようです。

参考：

[1] B Romano 1, F Borrelli, I Fasolino, R Capasso, F Piscitelli, Mg Cascio, Rg Pertwee, D Coppola, L Vassallo, P Orlando, V Di Marzo, Aa Izzo | The cannabinoid TRPA1 agonist cannabichromene inhibits nitric oxide production in macrophages and ameliorates murine colitis (2013)

[2] 大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所 | TRPA1チャネルの熱感受性と細胞外カルシウム (2022/10/27閲覧)

[3] 辛島裕士 | 日本ペインクリニック学会誌 Vol.24 No.4, 2017 総説炎症性疼痛と TRPA1

CBCはキマりません

キマるという状態は英語でHigh（ハイ）や、Get stoned（ゲットストーンド）と言われ、大麻に含まれるTHCを摂取することで発現する向精神作用を指します。

THCを摂取すると精神作用が発現するのはわたし達ヒトが持つCB1という受容体にTHCが結合するためです。

ではCBCはどうかというと、CBCはCB1受容体では有意な活性は示しません。[1]

つまりCBCはキマらない物質ということです。これは他にも多くのサイトや文献で言われています。

参考：

[1] Ethan B. Russo, Jahan Marcu | Advances in Pharmacology | Cannabinoid Pharmacology(2017)

CBCの利点をまとめたInfografic

海外のleafwell, Leafly, Original Farm, CFAHという4つのサイトで紹介されていたCBC（カンナビクロメン）はこんなことに効果的だと考えられている、というものをまとめたものです。

やはり痛みと炎症に潜在的な効果があると考えられていて、同じくうつにも効果的だと考えられているようです。

興味深かったのがニキビに効果的だと考えられているところで、2016年の研究を見てみたところ「CBC、CBDV、THCVは、アラキドン酸（AA）誘発の「にきび様」脂肪生成を有意に減少させた」[1]とあり、その効果に期待が寄せられているようです。

参考：

[1] Attila Oláh 1, Arnold Markovics 1, Judit Szabó-Papp 1, Pálma Tímea Szabó 1, Colin Stott 2, Christos C Zouboulis 3, Tamás Bíróf | Differential effectiveness of selected non-psychotropic phytocannabinoids on human sebocyte functions implicates their introduction in dry/seborrhoeic skin and acne treatment (2016)

CBCは非結晶化カンナビノイドでもあるから便利

そもそもCBCというカンナビノイドに興味を持った一番のきっかけは、海外の多くの人がカートリッジの結晶化を抑えるために使用しているということを知ったからです。

それまではCBDや、CBNなどのアイソレートパウダーを使用しリキッドの製作を行っていましたが、高濃度に作れば作るほど結晶化が早く、いちいちドライヤーや湯煎で溶かす作業が億劫だと感じていたのです。

何より、CBCによる重篤な副作用のようなものは報告されていなかったため、ある程度の安全性があると判断し購入てみました。

一定の量を入れてリキッド作成してみたところ最後まで結晶化しませんでしたよ。

CBC単体吸入レビュー

ここまででご説明したように、CBCは大麻草に多く含まれる成分であるということは、大麻を吸引した時に感じる感覚のうちの一部をCBCによっても感じるはずです。

そこで、「大麻を摂取した時に感じる様々な体感の中の一部であるCBCの感じ方」を表にして可視化してみました。（あくまでもわたしの主観ですよ！）

	CBC
リラックス	△少し感じる
陶酔感	×
むやみに笑う	×
大きな喜び	×
色彩に敏感	△ 少し感じる
匂いに敏感	×
触覚に敏感	△ 少し感じる
味覚に敏感	×
光に敏感	△ 少し感じる
音に敏感	△ 少し感じる
創造的になる	△ 少し感じる
高血圧	×
吐き気・嘔吐	×
早い心臓の鼓動	×
不安	×
錯乱	×
幻覚	×
妄想	×
眠くなる	×
反応時間の遅延	×
目の充血	×
時間の経過異常	×
お腹が空く	×
喉が渇く	×

ワックス用のコイルに２滴ほど染み込ませて吸引してみましたところ約10服程可能でした。

若干喉への引っ掛かりがあり、長く吸い込むとむせてしまいますが味は、プラムのような、スモモ科の果実のような味を感じました。

2〜3服で明らかなカンナビノイド感を感じ、4服目でその感覚がなんというか首の後ろ側にペタッとへばりつく様で、カンナビノイドを摂取した時の独特な”圧”を首の後ろ側のみで感じました。

カンナビノイド感の感じ易さは主観的にCBNと同等ですが、その感じ方がCBNのそれとは全く異なります。

CBN独特の”圧”の様なものはあるといえばありますが、なんというか後ろの襟にハンガーを入れられ、縦に木の棒を通されて、背筋を伸ばされる様な感じがしました。

不思議と目には全く来ません。

CBNやCBD、CBG同様にTOPがある一定を超えないと思うので、初心者の方でも大丈夫だと思います。

合計4滴、20服程度してみたのち、5時間で20%程度までそのカンナビノイド感は落ちてきたという印象でした。

CBCの法的立場はアメリカ、日本共に合法

leafwellによると、「ヘンプ由来の場合」はCBD同様にCBC カンナビクロメンはアメリカでは合法です。

日本でも2023/7/10時点では合法の成分です。

CBCを入れて作ってみたVapeリキッド

国内では比較的大きなカンナビノイド企業Canna Tech が作るCBN優勢リキッドのレビューです。

CBDが経皮で局所的に使用されると症状が緩和される可能性があります。その仕組みを知るべく背景にある科学をのぞいてみましょう。

歴史的な研究ではCBN単体の睡眠への効果を調査したものはありませんでした。今回の研究はその関係性を明らかにしようとしています。

CBDやCBNなどの所謂ノンサイコアクティブと呼ばれるカンナビノイドを使用して、どこまでその感覚を高められるかを検証します。

3種類のテルペンを混ぜてリキッドを自作するとどのような味になるのか、また、2種類のリキッドを混ぜるとどうなるかを検証します。

ストロベリーコフという大麻品種はイチゴの香りの咳をすることで有名です。このフレーバーを使用したリキッドをご紹介します。

まとめ

CBCについてまとめると、向精神性は無く、痛みや腫れ、うつからニキビまで様々な用途に潜在的な効果があると考えられているが、その使用を支持する科学的証拠はまだない。

CBNと比べるとCBCのレクリエーション効果も同じくわかりやすい。

非結晶化カンナビノイドのため、他のアイソレートに混ぜると結晶化を防げる効果もある。