「ニコチン含まれてないから健康っしょ」は間違い。ベイプ用リキッドアトマイザーに潜むリスクとは?

2023年7月3日
「ベイプ用アトマイザーなんてどれ使っても一緒でしょ」
「アメリカでベイプで死んだ人がいるって話聞いたんだけど・・・」
 
 
「ケテンとかいう毒ガス?なんでベイプアトマイザーから出てくんの?」
 
 
「ベイプアトマイザーって結局使っちゃダメなわけ?なんかいい方法ないの?」
具体的には
 
 

【2019年にアメリカで問題になったベイプアトマイザー関連疾患EVALIを知る】

 

【ビタミンEアセテートがベイプアトマイザーによって毒ガスに変換される?】

 

【アメリカの大麻試験研究所の博士が伝える低リスクなベイピングの方法】

 
 
の順にご紹介していきます。

目次

*この記事に含まれる情報は、医療従事者などからの情報に代わるものではありません。

初めにお伝えしておきたい大事なこと

この記事はベイプの危険性を煽るものではありません。
 
 
ベイプアトマイザーを使用することで発生するリスクの一つを頭の片隅に入れておいていただきたいのです。
 
 
この記事でご紹介する論文も、「ベイプアトマイザーやリキッドアトマイザーの内部でどの様なことが起こっているかという情報提供を目的としており、ご説明する悪い結果に全ての条件下でなるわけではない」と言っています。

記事執筆のきっかけ

執筆のきっかけは以前の記事を書いた時に参照した2020年の論文が、わたしの中で引っかかっていたからです。
 
 

「EVALIという肺損傷患者が使用したベイプアトマイザーやその他リキッドアトマイザーを分解して素材を詳しく調べてみた」というもので、調査の結果、EVALIの原因物質と考えられているビタミンEアセテートを有害物質に変換する条件が、未使用のベイプアトマイザーやリキッドアトマイザーでも起こりうる可能性があると言っています。

2019年にアメリカで問題になったEVALIとは?

EVALIとは、E-cigarette, or Vaping product, use Associated Lung Injuryの頭文字を取ったもので、電子タバコやベイプによって発症する肺損傷のことを表します。
 
 
EVALIの主な症状は呼吸困難、咳、胸痛、発熱・悪寒、下痢・吐き気・嘔吐や腹痛、心拍上昇、早く浅い呼吸[1] で、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、2020年2月18日までに2807人がEVALIを罹患し、68人が死亡したと発表しています[2]

EVALIを引き起こす犯人はベイプアトマイザーに含まれるビタミンEアセテート?

2019年6月から急激に増加し、2019年9月にピークに達したEVALI患者[1]
 
 
その気管支肺胞洗浄液(BAL)に含まれる物質を検査したところ、16州の患者51人中48人、なんと全体の94%にビタミンEアセテートという物質が確認されたと言います[2]
 
 
しかしビタミンEアセテートそのものに危険性があるわけではありません。
 
 
ビタミンEアセテートは酸化防止剤として、一般的な食品などにも含まれ、酢酸トコフェノールという名前で化粧品などにも含まれています。

最悪のコンビネーション ビタミンEアセテートの 熱分解

アイルランドの王立外科大学で行われた研究では、ビタミンEアセテートの蒸気に有毒なケテンガスが生成される可能性があると言っています。
 
 
また、ビタミンEアセテートを熱分解することで、発がん性物質(アルケンとベンゼン)まで生成され、長期的な医学的悪影響があることもわかっています[1]
 
 
つまり、ビタミンEアセテートが含まれているリキッドを熱すると、アトマイザーに含まれる金属や発熱体と化学反応を起こす可能性が高くなるということなのです。

様々なベイプアトマイザーの構成内部を調べた結果

2020年の研究[1]は、2019年に起こったEVALI患者に関連のあるTHC入りのベイプアトマイザーと、2016年から2019年までに流通したその他のTHC、もしくはニコチン入りベイプアトマイザーを様々な角度から比較したものです。
 
 
結論として、EVALI患者が使用したベイプアトマイザーは、セラミック発熱体が炭の様になっていたり、熱伝導ワイヤーの表面が損傷しているなど局所的に高温になった形跡が見られたそうです。
 
 
デバイス間での新旧比較の結果は、新しいもであるほどセラミックやポリマー断熱材が内部素材として使用されており、これらの素材×金属×高温は、先ほどお伝えしたビタミンEアセテートと化学反応を引き起こすと仮定される条件と一致すると言っています。
 
 
この論文の中でわたしの頭の中に引っかかっていた一文が以下の箇所です。

「Nickel and chromium components were detected in all devices, and others contained copper, lead, tin, gold, silicon-rich rubbers, or fluorinated microplastics. These components have the potential to thermally degrade and volatilize if heated sufficiently.」

日本語に直すと、

「ニッケルとクロムの成分はすべてのデバイスで検出され、その他、銅、鉛、スズ、金、シリコンリッチゴム、またはフッ素化マイクロプラスチックが含まれていた。これらの成分は、熱によって劣化する可能性と、十分に熱されると揮発する可能性がある。」

これを見て、

と思い、更に調べてみたのです。

ベイプアトマイザー、リキッドアトマイザーから重金属が漏れ出した?

アメリカワシントン州にある大麻試験研究所のMedicine Creek Analytics(メディスン・クリーク・アナリティクス)のAmber Wise(アンバー・ワイズ)博士によると、なんと、熱せられたベイプアトマイザーから重金属が内部のリキッドに漏れ出す可能性があることが実証された[1]と言うではありませんか。

暑い環境にベイプアトマイザーを置いてみたところ

まず、リキッド入りのベイプアトマイザーを42℃(暑い日の車の中など)の環境に置いて取り出すと、リキッド内の金属レベルが置く前よりも上がっていたそうです。

様々なブランドのベイプイアトマイザーを調べたところ

また、様々なブランドの市販のベイプカートリッジを調べたところ、大多数のリキッドの加熱コイルの成分は蒸気に含まれており、内部の中心コアとなる金属はリキッドに浸潤していたようです。
 
 
ただし同じブランドのものでも測定された金属の値が高いものや、ほぼ無かったものがあったりした事から、リキッドの製造過程や内容物の違い、使用するバッテリーの種類や電圧、個人のパフ数や時間によっても異なるので、まだわかっていないことも多くあるとも言っています。

正しいベイピング方法を知って少しでもリスクを抑えよう

先ほどご紹介したアンバー・ワイズ博士が推奨する対処法をまとめたものが以下です。
ベイプアトマイザー リキッドアトマイザー リスクとは ライフラックス
「香料、増粘剤や希釈剤は更に調査しないと吸入剤として信用できないと思う。」
 
 
「限られた条件下ではあるが、テルペンを加えたリキッドの方が加えないリキッドよりもエアロゾル中の金属が少なかった」と付け加えています。
 
 
海外のカンナビノイドリキッドのカスタムブレンダーたちの情報を見ると、カンナビノイド+10%のテルペンという組み合わせが多いのもこの情報を見ると頷けます。
 
 
ここまで何だか気の重くなる話ばかりでしたが、この研究で検出された金属は非常に微量であり、ベイプアトマイザーそのものがきちんとアメリカ食品医薬品局(FDA)で認められているものである場合、1日50パフまでであれば金属汚染ガイドラインで定められている人体への摂取量はクリアするだろうと締め括られています。

まとめ

ビタミンEアセテートが含まれるリキッドを熱すると、化学反応を起こす可能性が高いと考えられており、これらの物質を吸引するとEVALIという肺損傷を負う危険性がある。
 
 
EVALI患者が使用したベイプアトマイザーはセラミックが炭化したり熱伝導ワイヤーが損傷したり、局所的に高温になっていた事を考えると、アトマイザーの再利用などは避け、極力低温でベイプは使用した方が良さそうだ。
 
 
と、いったところです。
 
 
これらのことから、ベイプアトマイザーはどれでも同じではなく、材質などに拘ったより良いものを選んだ方が良いことがお分かりいただけたことと思いますし、正しいベイピングの方法を知ることの重要性もお分かりいただけたことと思います。
ということで、「ニコチン含まれてないから健康っしょ」は間違い。ベイプ用リキッドアトマイザーに潜むリスクとは?の説明を終わります。


ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!(人´∀`).☆.。.:*ありがとぉ☆彡(*´ω`*人)


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Webクリエイター、ライターです。海外のカンナビノイド研究や論文を参考に、論理的な記事作成を心がけています。生活(Life)が豊か(Luxury)になるようこのサイトをLifeLUXと名付けました。「カンナビノイド情弱になるな!」をモットーに、わかりやすい説明を心がけています。応援よろしくお願いします。(_ _))ペコッ

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